テレビがつくる生活
近ごろ、TVが大きく変わろうとしているようだ。放送も地上波はデジタル放送に移行しつつあるし、受像機も40インチを越える大きなものから携帯電話に搭載されたものまで、一般家庭に普及しつつある。インターネットによる放送もTVの一部と考えるとパソコンも新しい受像機だ。
TVが変わると家庭での生活が変化する。そうなるとこれは住宅の計画をする上で重要な事項かもしれない。
先日の朝日新聞の記事によると、
1967年、朝日新聞連載マンガ「サザエさん」によると家庭における父の座とカラーTVの価格はますます下る一方だったらしい。
(from 2004年4月3日朝日新聞be「サザエさんをさがして」)
磯野家では白黒TVの購入も慎重だったようで、カラーTVは「買う買わない」がテーマにはなったが購入したのは定かでないとのこと。
村瀬春樹著『本気で家を建てるには』主の座 によると、
家長を“主の座”から追放したのを「民主化」だとするならば、戦後の家庭内民主化は、何によってもたされたのか?
・・・・(略)・・・・
それは、テレビジョンなのである。
・・・・(略)・・・・
“主の座”が消えたのは、家長だってテレビが見たい ・・・・ という即物的な理由からだったのである。
大きくて高価だったTVは主に床の間に置かれたために、上座に座っていた家長はそのままではTVを見ることができない。そのため家長の座を開け渡した ということである。TVによって家の中の序列は消えた。
磯野波平さんはTVを購入することに賛成でなかったようで、TVがもたらす影響というものをよく分かってられたようである。
その後一般家庭ではTVはリビングルームという場所に置かれ、家族の団欒の象徴にもなっていたかと思う。そこには絶対者である「家長」というものはなくなっていたがTVには家族を集める力があった。
さて、現在のTVの多様化は家庭に何をもたらすのだろうか。
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