『美しくなれる建築なれない建築』
『美しくなれる建築なれない建築—慣習の美学』
構造の専門家から見た建築の美学について。
この“構造の専門家から見た”というのは著者が構造の専門家であり「建築の関係者であるが専門家ではないという意味」。特に構造の視点から斬っている訳ではないが専門家の視点でないところが読みやすく、共感するところも多い。
まず「美」とは何かを問題提議し、全章を通じて「見慣れているからこそ美しい」と感じることもあるのではないかと例を挙げて考察している。理屈をつけまくる建築デザインの専門家とは一線を画き感覚的に述べている点は「一理ある」と納得してしまいそうになる。こういう処からも景観づくりに何が必要なのか考えていけそうな気もする。
序章「習慣と美意識」
1章「エッフェル塔と東京タワー」
2章「京都タワーと景観」
3章「倉敷の大原美術館と街並み」
4章「京都の中京郵便局と三条通り」
5章「ミロのビーナス」
6章「流行と習慣美」
7章「黄金比は美しいか」
8章「パルテノン神殿と桂離宮」
9章「都市の景観」
10章「社寺建築のあり方」
11章「人の五感と習慣美」
終章「習慣美の考察」
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