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2006.04.05

壁の生みだす空間

U邸見学@西宮
設計:吉阪隆正 1956年竣工

隣の敷地では面白いことやってますね
>あさみ編集長

 外観や平面図を見るだけではゴツゴツした硬いイメージ。あまり興味を惹くような存在ではなかった。

 しかし、一歩室内に足を踏み入れるとなんともいえない雰囲気に包まれる。・・・・そう、まさしく「包まれる」という感覚に陥る。
 明るい部屋ではない。しかし決して暗い部屋ではない。光が降りそそぐ部屋である。
 様々な“壁”の表情をもつ建物だ。美しい矩形グリッドのラーメン構造をしているが、壁はそのグリッドに沿っていない。主旋律とオブリガートのようである。
 ラーメンから壁が自由になるなら、現在なら全て開口というデザインにしてしまうだろう。しかし“壁”なのだ。
 壁であるがコンクリート以外にレンガや波型など様々なテクスチャーを見せている。そしてそこに窓が存在する。

 “窓”といってもそれぞれ役割が異なっている。
「景色を眺めるための窓」「光を採入れるための窓」「換気をするための窓」
1つの窓にいくつもの役を負わせない。「光を採入れるための窓」は高い位置でよい。色の付いたガラスでよい。「換気をするための窓」はガラス窓でなくてよい。
 複数の役を持たないのなら“窓”は多くなりそうなのだか、印象的なのは“壁”なのである。

 広い空間とは“壁”のない空間ではない。様々な壁がSceneをつくりSceneの数だけ空間を生みだしている。面積は少なくてもシーンの数はとびきり多い。この家の印象だった。

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コメント

こんにちは、ちはるさん。とても興味深く面白くブログ拝見しております。「窓」について、そうそう私もそういう壁や窓のあり方が好きですね。。これはまた色々なところにつながっていくのですけれどね。ちはろぐ、僭越ですが拙ブログとリンクさせて頂きたくよろしくお願いいたします。

投稿: neon | 2006.04.06 10:10

あ、見つかっちゃいましたか。
設計を依頼された保育園の敷地がたまたま浦邸のお隣だったのです。吉阪隆正先生といえば、師弟関係でいえば我が社の創始者の師匠。私はさしずめ孫弟子ということになりましょうか。
師匠の隣で建築を、というのは、弟子にとってはやりがいがあるというか、やりにくいと言うか、、、。というのが普通の感覚かとは思ったのですが、ウチの親分は、いとも軽やかに浦邸の空間構成に学んだなかなか面白い空間造形に辿り着きました。ちょっと名作の予感がします(うちの奥さんが担当してます)。
ということで、どこかで発表すると思いますので、その時はよろしく。

投稿: あさみ編集長 | 2006.04.06 10:25

neonさん>いらっしゃいませ。興味を持っていただきありがとうございます。

文章だけでイメージできたでしょうか。下手な写真ではこの感覚は伝わらない・・・・実際、撮った写真では分からないのです。

私は壁が好きです。住宅でも壁のない空間、開かれた窓をヨシとする傾向が最近あるのですが、できるだけ壁を設けてあげることを考えています。
その壁の活かし方が、この住宅は参考になりました。

リンク、TB、コメントなど、どうぞお気軽にしていってください。
このblogにリンクやTBのリストがないのは、以前設置するとレイアウトが崩れるという症状に悩まされたからなのです。
そろそろ改造したいのですが、いつになることやら・・・・

投稿: ちはる | 2006.04.06 13:33

あさみ編集長>
>うちの奥さんが担当してます
おぉ!職場結婚でございましたか。(それとも「奥」というお名前の方がいらっしゃるのかな)

>どこかで発表すると思いますので、その時はよろしく。
でも風当たりが強そうですよ。あそこまで濃いつながりを見せつけられると。

投稿: ちはる | 2006.04.06 13:43

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