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2007.07.05

建築家は自分のつくりたいものを好きにつくっているのか

朝妻さんの『家の値段−「設計料」の適正金額は? vol.2』で書いたコメントですが、「建築家(設計者)は自分のつくりたいものを好きにつくっているのか」という話、こちらにもメモしておきます。

匿名希望さんの書かれている

自分のつくりたいものを好きなようにやってんなら、お金をもらうんじゃなくて、逆に払ってもいいんじゃないの?
そんな子供みたいなことが通る業界なんて

コレについては設計する側としてもいろいろ考えさせられます。
でもね、程度の差はありますが、施主の言うことを何でも「はい、はい」と聞くスタンス・・・・これが耐震偽装につながっているんじゃないかと思うのです。
もちろん「偽装してくれ」とか「違法でもいい」なんて依頼主は言ってませんよ。でも何でも「はい、はい」と聞くなら、極端な話、偽装するか、依頼主と縁を切るかしか駒の進める場所がなくなるのですよ。

これは極端な話ですが、「違法でなければいいのか」ということも考えてみます。

例えば料理では「この食品添加物は規制されていないから大丈夫」とかいう話もある一方、「無農薬の野菜を使いたい」という料理人もいるわけです。
お客様の「安くて美味しいものを食べたい」という要望に応えるならべつに無農薬の野菜を使うことなどせず安い野菜を仕入れればいいことですが、そうじゃないだろうと思うのです。

建築の設計者のも同じだと思うのです。ホント、法律なんて最低限のことしか決まってませんし(おせっかいな部分も多々ありますが)、法的にはOKだけど「それはダメだろう」ということもよくあるのです。
自分の設計するものにポリシーを持っているからこそ
>「自分がつくりたいものができないなら、受けられません」
と言うことができるのだと思います。

もちろん、つくるものは依頼主によって変化します。同じ土地、同じコストで計画をしようとも依頼主が異れば同じ設計者でも建つモノは違ったものになります。「自分がつくりたいもの」というのは既に完成されていて倉庫から出荷されるのではないのです。
「自分がつくりたいものができないなら、受けられません」というのは「コレしかできません」という意味では決してない筈です。

(もう少し別の視点で続く予定)


以前書いたページもメモ
建築家は他人の意見を聞かないのか?」(ちはろぐ)
ポリシーはあるか」(ちはろぐ)

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住まい・インテリア」カテゴリの記事

コメント

どうも!朝妻です。

いつもコメントどうもです。

「耐震偽装」の問題は今回の私のとこでの議論とは
ちょっと別の問題と考えて頂けるとありがたいです。

もともとは「設計料の適正金額は?」ですから。

>「自分がつくりたいものができないなら、受けられません」というのは「コレしかできません」という意味では決してない筈です。

これは正にその通りですね。

「自分がつくりたいもの」っていう言い方が良くないのでしょうか。
(私がはじめに書いたような・・・)

投稿: 朝妻 | 2007.07.06 07:47

ああ。なんか難しいな。
うまく説明できるかわかりませんが。考えたことを・・・。

本当に施主が作りたいものを形にする。のが建築家の仕事だと考えます。
最近なぜか鈴木成文先生のお話に触れる機会が続いたのですが、施主の考えているもの以上のものを作るのが建築家の仕事であると、先生はよくおっしゃいます。先生のおっしゃることを私的に解釈すると、以下のようになります。

おそらくお施主さんが本当に望んでいるのは性能(例えば、デザインが良いとか、居心地がよいとか、使いやすいとか・・・)であって、仕様(このサイディングにして、とか、リビングは一段落として大きな窓を、とか、キッチンの高さは85cmに、とか、カワックが欲しい、とか、ローコストで、とか)ではないと思うんですよね。仕様は性能を満たすための1例であって、求める性能に対する答えは1つの仕様ではないかも知れない。

だとすれば、例えば住宅展示場やショールームで見ることが可能な「ただ1つの答え」だけではなく、要求される性能をきちんと施主と共有し、施主と一緒によりよい建物づくりを考え、「あなたと私だけの建物」を実現できる。そういうパートナーとしての役割が建築家に求められているのだと思うのですよ。

しかし実際には、法規がおせっかいであるとか、お金が足らないとかの理由で困難なことも多いですし、お施主さんと建築家の「社会における個人のモラル」や「安全性」に関する考え方に乖離がありすぎることによる困難も生じたりします。

やっぱり、お施主さんには、できるだけ価値観を共有できる建築家を探していただくのが良いのではないかと思うのですよね。

え?私ですか?私は全方位外交、八方美人そのものですから、どんなお施主さんとも価値観を共有できる、コミット大王を目指しております。

では。

投稿: あさみ編集長 | 2007.07.06 10:47

ところでこういうのは今の話と関係あるだろうか?

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20070417/506925/

ソリューションって言われても困るが、言ってることは分からんでもない。

投稿: あさみ編集長 | 2007.07.06 20:22

朝妻さん>
タイトルの件は私も建築を学びはじめた頃から疑問に感じるテーマでもあります。
ちょうど書きかけの記事もあったので、こちらにも持ってきました。
「適性金額」についてもいろいろ思うところはありますが、
ちょっと筆が(キーボードが?)とまっています。

またお付合いください。

投稿: ちはる | 2007.07.08 10:24

あさみ編集長>
望んでいる性能さえ満たせば、
「仕様はオレにまかせろ」ということですか?

投稿: ちはる | 2007.07.08 10:56

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