『鉄道功罪物語』
昨日の記事にすみもとさんからコメントいただいたように、現在の神戸電鉄粟生線の建設は、当時の「軽便鉄道補助法の継承法令である地方鉄道補助法が存在」があり、完成を急いだようです。
補助金が出るからやってしまおうということで申請したのですね、
三木電気鉄道は昭和11年(1936年)のうちに開業しないと補助金がでないため、認可から半年そこらで開業させたとはスゴイことです。
実際は電化が間に合わず、ガソリン車や蒸気機関車を走らせたということなので、昨日「(なんとか)開通」と書いたしだいです。
三木電気鉄道のように突貫工事をやったり、三木線のようにいきさつがよくわからない路線ができるのは何か国政がからんでいるんだろうなと思いながら調べている途中です。
時代的には播州鉄道も軽便鉄道法により鉄道建設ブーム、イケイケドンドンの頃に合うのですが、直接そうであったという資料にはまだ出会っていません。
そんななか、「はてな」に『うろ覚えです。鉄道文明を批評した和書があってこれは買わなくてはと思って、そのままにしていたら書名を忘れてしまいました。もしご存知の方いらしたら教えてください。』 という質問があり、そこに『鉄道功罪物語』という本が紹介されていました。
この『鐵道功罪物語』(松村金助 著)昭和4年(1929年)に発行の本ですが、神戸市立図書館にあったので借りてみました。
この時代でも政治家(政党)や一部の富裕層が後々の事業採算を考えずに鉄道を敷いてきたことなど書かれております。ちょっと昔の漢字が使われていますが、非常に読みやすい。
「鉄道」を「空港」や「高速道路」に置き換えると現在にもそのまま当てはまりそうです。
戦前も今も何も変わっていません。
時代背景や鉄道事業の歴史を頭に入れるには
『鉄道地図の「謎」―路線図に隠された鉄道の憂鬱 』などで予習しておくのがオススメ。
この本だけでも急速に鉄道が敷かれてきたいきさつがわかるけれど、 『鐵道功罪物語』は当時の嘆きが聞こえてくるようで面白い。
結局80年たっても嘆いているんですけれど。
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