« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »

2011.01.30

『三木町略史』から(3)

さて三木の赦免地であるが、多くの本には三木落城後秀吉により地子諸役免許の町となったことが書かれてある。これは徳川時代幾度も地子免許状や秀吉の立札をもって新しい領主に赦免地であり続けたことが記録されているので事実であろう。
しかし、それ以前はどうであったか。

別所氏が早くから城下に赦免の特典を与えて保護したことは、別所氏滅亡と同時に秀吉がたてた制札の文面によって解される筈である。

「三木町略史」では戦国武将が城を築いた時には城下町も築いたことと秀吉がすぐに以後も赦免地にする旨を伝えて町民を呼び戻し復興を行ったことから 別所氏の頃から赦免地であったと想像している。

ところでもう一つ三木には赦免地について伝説がある。菅原宗賢の伝説である。

鎌倉時代には、街道筋に住まいした菅原宗賢が、旅先で僧の姿をした北条時頼に出会い、旅をともにしたことから友情がめばえ、その縁により三木の地が免租地となったと伝えられています。
三木市観光協会のページ

北条時頼は各地に廻国伝説が生まれているの。三木市に残る秀吉の制札や別所氏の扱われ方に比べ大きくないので後世につくられた話である可能性は高い。徳川の時代に秀吉の、別所氏のというより北条氏のといった話を持ちだす必要があったかもしれない。それでも「赦免地」ということが重要であったという資料につながるであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『三木町略史』から(2)

「三木町略史」によると、赦免地であった三木城下町に木工匠が集められた。「三木大工」として広く出稼ぎをするようになり、また出稼ぎ先で定住するようになった。しかし大工道具は三木産のものが広く使われ続け、出稼ぎ先や定住先でも広められてきたそうだ。三木の金物が秀でていたためであろう。
しかし、いくら秀でていてもそれだけでは産業に成り得ない。問屋の出現が重要な役割を果たしたようだ。

鍛冶屋は専ら製産することに余念はないが、問屋は各地に売出して販売すると同時に、その頃資本力に乏しかった鍛冶屋に材料、生活費を与えて、その製品を一手に買込んでいった。鍛冶屋側になると、遠い土地にいる大工やら道具屋と取引することは、色んなことで困るので、材料を与えてくれて、必要な生活費がすぐもらえる手近な問屋との取引を望んだことはあたりまえで、鍛冶屋と問屋とのつながりはこのようにして生れ、そして増々盛んになっていき、この形は永らく続いていった。
(中略)三木産の工匠具が、地方に売られる目的で本格的に生産されるようになったのは、天明(1781-1788)頃から寛政の始め頃にかけてのことであったと察しによいであろう。

問屋制家内工業の出現であり、鍛冶屋の工程も細かく分業制になっていったようだ。江戸時代に確立された生産機構の前例は小野の金物や算盤産業ほか周辺の地域にも影響を及ぼしたことが「播磨の地理」 人文編 に記されている。

「赦免地の存続」と「問屋制家内工業」、これらに発する潜在意識は三木の町なかに今も気配が感じられることを忘れてはならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『三木町略史』から(1)

三木市の主要産業は金物である。
「三木町略史」によると別所氏が三木城を築城した頃…定かでないが瓦大工として名高い橘氏一族の清川神左衛門が定住したと考えられる文明14年(1482)~長享2年(1488)には三木に多くの木工匠が住んでいたとされる。

イ、三木の町が、町らしく出来たのは別所氏の築城による城下町建設のためであったと考えられる。
ロ、別所氏は、城下民のための職業として木工匠を奨励、保護したようである。
ハ、この木工匠に使われる道具の製産が、いまの三木の利器製産の始まりと考えられる。そしてそれは、長享二年頃にはもう多少とも造られていた。

別所氏が城下民として染め屋や木工匠を住まわせ、税を赦免してきた。また三木城落城後、秀吉は三木の復興のため赦免地とする制札を即日たてたということだ。
それは徳川時代に入り、領主が代わっていっても町民が嘆願によって赦免地であり続けることができたという。

ところで、なぜ三木の町で金物が製産されるようになったのか。
「三木町略史」による考察が面白い。

誰も知るように、三木の製品の主原料である鉄鋼は三木に産しない。又加工に使う木炭が豊富にここでできるわけでもない。
次に販売の方に眼をむけてみると、京都、大阪に比較的近いといえば近いが、それらとの交通を考えてみると山にさえぎられていて、それらの郊外である摂津や河内の平野の方がはるかに便利で有利なところであることはいうまでもないことで、同じ播磨にしてももっと海岸に近いところの方が交通が都合が良いわけである。
するとこの発展の原因は、原料の入手や、交通や、製品の消費地に近いからというわけではなく、他に考えなければならない。それは、やはり三木の最初からの特典であるところの赦免地であるということ、農産も多少はあるが、他に特殊な産物が考えられないこの土地柄から、一応三木の特産物として知られたこの産物に対して、製産者は一心に製品の改良と増産につとめ、販売業者は秀れた商才を利用して専ら熱心に商いにつとめたので、この両者組合された力によって漸次発展してきたと解するより致し方が無い。

つまり、三木の町で金物産業が発展したのは年貢の赦免地であったためで、たまたま芽生えてきた金物の製産業が少しずつ大きくなっていったということらしい。
しかし、原料の調達も困難で販売ルートにも不利な地域で製産するわけであるから、材料の調達、一括発注、独自の販売ルートを確保していった問屋の功績が大きいということだそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

1月のつぶやき第4週

今週のつぶやき 1月23日~1月29日

続きを読む "1月のつぶやき第4週"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.29

借りた本のタイトル

図書館で借りた本メモ。
ゆっくり読んでる暇はないけど、読直したいモノばかり。
「播磨の地理」 人文編 町と産業と交通路 田中眞吾 編著 神戸新聞総合出版センター 1993年
「兵庫探検」近・現代編 神戸新聞社学芸部 兵庫探検 近・現代編取材班 著 神戸新聞総合出版センター 1979年
「播磨の風土記」 その光と陰を追って 寺本躬久 著 みるめ書房 1987年
「三木町略史」 山本榮 著 三木町教育委員会 1953年
「お國自慢」兵庫県町村会 編・発行 1952年
「近世地方商家の生活と文化」(播州高砂岸本家の研究) 永島福太郎 監修 桑田優 編 2000年(1989年)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.23

1月のつぶやき第3週

今週のつぶやき 1月16日~1月22日

続きを読む "1月のつぶやき第3週"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.21

旧オール商会ビル

 

昨日の神戸新聞に記事が載っていたので忘れないうちにメモ

 丸亀組の建物。かつてはノルウェーの船会社・オール商会の社屋であり、ノルウェー領事館でもあった。

神戸元町、メリケン波止場に向かう途中で目にする景色。写真中央の白い建物がその旧オール商会ビル。以前から気になっていた。個人的に神戸の好きな建物10選の中には入ってくると思う。

左の建物もしっかりとした意匠でとても気になっている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.16

1月のつぶやき第2週

今週のつぶやき 1月9日~1月15日

続きを読む "1月のつぶやき第2週"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.09

1月のつぶやき第1週

今週のつぶやき 1月2日~1月8日

続きを読む "1月のつぶやき第1週"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.07

30万アクセス達成!

本日21時頃、30万アクセス達成したようです。
 ̄(=^▽^=) ̄  \(^o^)/

コメントを入れていただいているみなさま、RSS登録されているみなさま、
ブックマークをいれてくれているみなさま、通りすがりもみなさま・・・・
こうして書き続けていけるのも反応があったからであります。
ありがとうございました。

20万アクセス達成から1年5ヶ月弱。twitterでメモすることが増えたので、blogに書き留める機会が減ってきたのですが、最近アクセス数が増えております。
感謝!

細く長く続けていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.03

コート掛けの製作

玄関コート掛け製作メモ
 
ハンガーパイプ:IKEA GRUNDTAL 53cm (取付ネジ別売)
同上用取付ネジ:ステンレスタッピングネジ 5mm×16mm
同上用ワッシャー:M5用

台座:ポプラ集成材 900×120×15 カット、面取、ペーパー掛の上オスモワックス塗
同上用取付ネジ:ブロンズ皿木ネジ 3.8mm×38mm

《PRICE》

ハンガーパイプ ¥1,090
同上用取付ネジ ¥148
同上用ワッシャー ¥98
台座 ¥578
同上用取付ネジ ¥98
ペーパー#120 #240 ¥38 ×2
  Σ=¥2,088

IKEAのハンガーパイプというのはキッチン用のレールを流用している。
オスモワックスは手持ち分を使用した。
台座取付用ビス長さは 台座厚15mm +下地PB12.5mmあるので、当初50mmを使用したが貫入しなかったので38mmに変更した。
胴縁には10.5mmの貫入という計算になるのだが保っているのでヨシとする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.02

12月のつぶやき第5週

今週のつぶやき 12月26日~1月1日

続きを読む "12月のつぶやき第5週"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.01

アクセス検索ワード 2010.12

謹賀新年 大正百年
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

【アクセス検索ワード(検索ワード/フレーズ)】12月のランキング(ココログ調べ)
1位「工事監理報告書」 6.1%
2位「ワイヤーメッシュ 価格」 4.5%
3位「特定不燃材料」 2.8%
4位「グラスウール シェア」 2.4%
5位「工事監理報告書 書式」 1.4%
6位「テレビ ワイヤレススピーカー」1.3%
6位「建築士法 工事監理報告書」1.3%
8位「工事監理報告書 記入例」 1.2%
8位「ワイヤレススピーカー テレビ」1.2%
10位「テレビ スピーカー ワイヤレス」 1.1%
工事監理報告書の検索ワードが1位に浮上。年末は工事監理報告書を書く機会が増えるのでしょうか。
エコポイントによるグラスウール不足の影響なのか「グラスウール シェア」のランクもアップ。

【番外】
横長 木造住宅
 : 木造住宅は立面的に横長のプロポーションを構成すると間違いない。

マグネットナイフラック 冷蔵庫
 : 取付は簡単かもしれませんが、冷蔵庫の扉に包丁が貼付いているのは怖いと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »