2010.04.22

「無常」意識の住まい

いまさらながら「Chakuwiki」をさまよっています。

この日本の噂のところで

建物は使い捨てにする。
(略)
日本では永遠に続くものはないっていう「無常」という考え方が基本にある。だから木造建築は1000年持たせる技術はあるのにその建物自体が建て替え前提だったりする。
というの表現に納得。

「住宅の耐震改修が進まない」などとよく耳にしますが、永遠に続くものはないという考えが根底にあるので、「次に建てるときにしたらいいやろ」ということです。
次がいつかは分かりませんが。

「家は3回建てないと満足できない」なんていうのも、「無常」の意識があるからかもしれません。
いまの状態は仮住まい。
いつまでたっても仮住まい。
所詮この世は仮住まい。

日本人は多かれ少なかれこの意識に支配されているということを覚えておくといい気がします。

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2009.03.23

ボケとツッコミ(メモ)

新聞よりメモのつづき

島﨑今日子氏のことば

ことばを投げて待ちかまえても珠が帰ってこないのは気が抜けます。ツッコンでくれないと珠が打てないやん。「ボケとツッコミ」はおしゃべりをつづけましょ、仲良くなりましょということ。コミュニケーション芸です。
2009年3月19日朝日新聞夕刊「勝手に関西世界遺産」より

ボケとツッコミに関しては以前「コミュニケーション・ツール」というエントリを書いた。

ある程度のパターン認識とそれを外すことの面白さ。どこに飛んでくるかわからない緊張感。
「マニュアル通り」しか認めないというのは、面白くない。
暴投されたらチャンス!うまく拾えればヒーローに。

・・・・建築現場だって設計通りにはいかないんだよ。

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2009.03.20

関西(メモ)

新聞よりメモ
井上章一氏のことば

昭和20年代まで大阪財界は東京と五分五分の力がありました。30年代以降は関西の占める地位は落ちる一方です。
2009年3月12日朝日新聞夕刊「勝手に関西世界遺産」より

大阪空港開港(日本返還後)が昭和33年(1958年)、
新幹線、東京~大阪間の開通が昭和39年(1964年)。

高速移動手段ができたとたん、エネルギーを東京に吸い取られ続けているイメージ。



宮田珠己氏のことば
関東というとイコール東京のイメージになる。わくわくしない。関西は府県一つ一つが個性的で、さらにお互いが支え合って大きなイメージをつくっている感じがします。

2009年3月12日朝日新聞夕刊「勝手に関西世界遺産」より

関東とて地域の個性はいろいろあるだろうが、関西は「過去に都を持っていた」という地域がたくさんある。
府県内もいくつかの国が統合された連邦国というイメージが未だにある。

外から見ると「関西」というくくりは見えるが内からは別々の意識が高いのでは?
そのごちゃごちゃ感がわくわくする気がする。

統一せずにまとめることができるのなら、道州制も価値ありそうだが、 平均化しようとするならたぶん無理。



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2009.03.03

東京中央郵便局 総務大臣発言から

東京中央郵便局建替え工事に関して鳩山邦夫総務相の発言が話題となってます。

「重要文化財級の価値があるのに開発優先主義で文化や文明を壊していいのか。国辱ものだ」

(from 2009.3.2 MSN産経ニュース)

とても意味の大きい発言であると思います。
この東京中央郵便局に限らず、とりあえず開発しておけばお金は動くから経済効果は大きいです。
今までもそうでしたし、現在の社会状況を考えれば「経済よりも文化財だ」と言える政治家はなかなかいないです。
また昭和の時代 (東京中央郵便局の竣工は昭和6年)の建築物を「文化財だ」と言い切った大臣発言が広まったことに意義を感じます。世間では「文化財」とは江戸時代・・・・頑張っても明治時代以前の建物というイメージですから。

東京中央郵便局に関しては「今さら・・・・」という気がしますが、大阪中央郵便局も同じく吉田鉄郎氏による設計。こちらの建替え計画にも影響は出るでしょう。

また大阪府庁のWTC移転問題にも影響するかもしれません。

「開発優先」・・・・守るべき文化とは何かということと、経済行為とのバランスをよく考えるべきだと思います。
バランスを考えた上での開発はやむを得ないと思いますが、そこまで考えられているのでしょうか。

東京のことはよくわかりませんが、大阪中央郵便局の場合、駅前の一等地にあるんだから容積率いっぱいに建物たてて、家賃収入で大儲け!という考えですよね。郵便局も民営化されたんだから儲けようと。


ですけど、大阪ってそんなに需要ありましたっけ?

需要がないのに新しいビルをつくるということは、新しいビルにはテナントが入るかもしれませんが、その分既存のビルからテナントが出て行くということにつながるかもしれません。
結局、大阪の街に空き屋を増やすということです。文化財を壊して。
(それを防ぐために容積率の売買ができるようになったんじゃなかったっけ?)

文化財を壊して、空き屋が増えて・・・・そんな街に新たな客を呼込める魅力をどうつくるのか。

大阪府庁移転計画も、現在の府庁のあるところは立地条件がいいから高く売れるという考えが入っているようです。
買う側としては立地条件でしか見ず、上屋の利用価値を認めずに算用するでしょう。前例に基づくなら取り壊して、できるだけ多くの商品(部屋)を確保しますね。前例がないと計画がたてれませんから。

本当はもう前例が活かされない時代になってきてるんですけれど。
人口は減少するし。通信、輸送網は整備されてきているし。

需要が少なくなってきたときに、どこにでもある建物たてるより、過去の価値ある建物を利用する方法を選ぶ方が差別化できるというものだと思いますが・・・・ビジネスモデルとして主流にならないもんですかねぇ。

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2009.02.27

古民家とつきあう

「病とつきあう」・・・・お医者さんから聞いた言葉。

(町並み保存活動をやってる)建築家と医者との違いについてお話していました。

ち 「お医者さんは治療することを前提としますけど、
   建築家は"壊す"という選択肢も考えなければならないんですよね」

医 「最近は完治しない病について、"つきあう"という考え方が広まってきています」


う~ん、いい言葉。
「古民家とつきあう」 「古い町並みとつきあう」・・・・

少しくらい不便があるけれど、自分の過ごした場所だもの。
修繕しながらつきあっていこうよ。


(上記やりとりはうろ覚え)


関連リンク
君は現在ではなく、未来をとれ!」(ちはろぐ)

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2007.10.28

「地方分権の課題と道州制」

10月21日 しおさい文化講演会
「地方分権の課題と道州制」講師:片山善博

元鳥取県知事 片山善博氏の講演会のメモ。
道州制について聴きたくて参加。でも地方行政についての話が中心だった。面白かったけれど。

自治体が信頼されるために、自治体(公務員)のミッション(任務・使命)は何か再確認するべき。」という内容。
被災者生活再建支援法がようやく今国会で住宅本体の再建に使えるよう改正されようとしているが、やろうと思えば今まででもできたという内容が興味深かった。(2000年鳥取西部地震)


道州制については
本当に地方分権を考えるならば県単位以上のまとまりで考えなければならない問題が多い。(Ex.高速道路)いかにそのまとまりをつくるか。
鳥取〜姫路間の高速道路の計画は鳥取県では重要な道路だが、兵庫県や途中をかすめる岡山県では特に重要な地域交通ではないかもしれない。だが、鳥取県内だけ高速道路が完成してもそれはほとんど意味をなさない。

また「全国一律の地方自治はありえない。」という言葉が印象深く、そして嬉しかった。

全て「バランス」と「良識」


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2007.10.21

人の記憶こそが

「たとえ過去が壊れても人の記憶がもう一度時間を作る」「人の記憶こそが時間なんだ」
by 「仮面ライダー電王」

番組の中では過去でイマジンに壊された建物も、人の記憶があれば現世で元にもどっています。
でも実際の世の中、知らない間に建物がなくなり、空地を見てそこに何が建ってあったか思い出せないということはよくあります。

「古い建物を長らく存続させるには多くの人に知ってもらいその良さを分かってもらう必要がある」
最近建物、景観の保存に対するキーワードとして使っています。

良さというものは、技術的な価値だけではないということは2003年の記事「レトロ建築哀歓」でも書きました。

どういう手段であろうと、多くの人にその良さを知ってもらうということをまず考えます。
だって、知らないモノは無いのに限りなく近いンだから。

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2007.07.14

君は現在ではなく、未来をとれ!

「建築家(設計者)は自分のつくりたいものを好きにつくっているのだろうか」ということに悩みながらも、プロジェクトを決定するときは施主に説明し了解を得るようにしています。当然と言えば当然ですが。

当然と思っているから驚いたのは歯医者に行ったとき。別に痛みはなかったけれど検診に行っておこうと20年ぶりぐらいに歯医者で診てもらうことにしました。(数年前の話。確かこの頃
上下数本づつの治療と親不知1本の抜歯。診断だけではなく、即治療です。検診に行っただけなのに即、治療です。「いつ抜歯する?」という相談は許されましたが、「治療を少しにする」なんて選択肢はありません。せめて見積りが欲しいなと思いましたが、見積りを出してくれる医者って聞かないですね。(入院するような時はあるのかな)鮨屋に入ったときのようにドキドキです。

家の診断をするときもありますが、良くない結果がでても即、補修工事ということは少ないです。ましてや、了解を得ずに即補修なんて絶対にないです。(診断して即工事というのは悪徳業者の手口に多い)

家の場合は補修と他の部分の改装(リフォーム)を一緒にしてしてしまうということもありますし、
補修をしない→取壊す という選択肢もあるわけです。
いつまで使うのかという寿命は持主が決めることができます。予算との兼合いもあるのです。
そのへんが医者にかかるということとの違いだなと思っておりました。

そんな思いの中で最近出会った記事↓
白倉伸一郎氏のブログ「A Study around Super Heroes」の
歯医者の思い出』より

お爺さん先生、 「徹底治療しよう!」 という。 で、「銀歯がいい」と勧めるのだ。 多感なる中学生としては、銀歯はイヤだ。 別の治療法について、「見かけはこれが一番だけど、保険が利かないし、第一持たないんだよ」とか説明してくれるので、「それでお願いできません?」というと、お爺さん先生の形相がキッと変わった。

「前途ある者が目先の美観を求めるのか? それは老い先短い者の考えだ。君は現在ではなく、未来をとれ!」

現在ではなく、未来をとれ!」という言葉が輝いて見えました。
(もちろんこの話のようにウデの良さも必要ですが)
「つくりたいものつくっている」以前に「イイものをつくっている」のです。
安くてペラペラの上に化粧だけ飾るような目先の美観を求めないで、未来を考えた決断を今していきたいのです。

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2007.05.02

コンピュータの設計

建築家 坂茂氏のことば

「コンピューターだけで設計した、とんでもない形の建築が増えている。表皮と構造が一致しない張りぼて。全く感動しない」
from 4月28日神戸新聞夕刊『創作の流儀−美の扉が開く時』

大規模な商業施設では「ダブルスキン」という構造にとらわれない表面の意匠を実現する手法が流行っていますが、ここで言われている“張りぼての建築”とは住宅レベルで増殖しているソレのことだと思います。

私もコンピューターは使っています。でもCADにしても「エスキスを清書してくれる機械」というレベルです。あと計算機としてパソコンは仕事になくてはならないモノになっています。

よくCADのセールス電話を受けますが、最近のソフトはスゴイみたいです。プランを決めたら壁が立ち上って「切妻屋根はどうですか?」「寄棟屋根ではどうですか?」とパースが描けて「壁はサイディングをやめてタイル貼り・・・・」などとシュミレーションしながら、ウォークスルーの動画も作成できるそうです。・・・・聞いただけだけど。

もともと和小屋という屋根の架け方は間取りにとらわれることなく屋根をかたちことが造ることができましたが、「表皮と構造を一致させない」という手法を取入れることで、建物全体がどんなカタチでも建ってしまうようになりました。

コンピューターで設計できるということは、問題が単純化されているということ。一般的に入力・関連するパラメータが多ければ高度になり、考慮することが増えるとコンピューターの力を必要としそうなのですが、実用化できるレベルとなるといかに工程を単純化できるかということが重要です。材木のプレカットなんかも仕口やモジュールを単純化することによって成立っています。

また「表皮と構造を一致させない」ということは表皮を自由に彩ることが可能になりました。「構造」は重力を無視することができませんが、表皮は重力を無視した“絵”を掲げることが可能です。「妻壁に描かれたトラスっぽい飾り」とか「積み方を無視したレンガの模様」とか・・・・
けれどもこのようなバリエーションを多く持つこと、またそれを施主がチョイスできるということが付加価値として喜ばれているようです。


記事の最後には次のことばが書かれてありました。

「建築家は施主のことだけでなくて、街のことも考えなくてはいけない。望まれなくても、いいものを提案してつくるのは、建築家の責任だと思う」
施主と一緒に街のことを考えていくということが一番いい関係であるように思います。

悪い循環に陥っている例
・施主は自己のため
・設計者は施主の(依頼主が施工販売店の場合、施工販売店の)利益を最大限に確保させる
・施工販売店は自社のシェア拡大、利益増大のため
・部材メーカーはユーザーの要望よりも施工販売店重視
・・・・

結局、利益主義・・・・個の利益でしか物事を評価できないために起こっている現象のように思えてきました。本当に暮らしたいのはそんな環境じゃないのに。


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2007.02.08

やるかやらないかではなく・・・・

問題は、やるかやらないかではなく、「いつ」CSSレイアウトに移行するのかということである。
from 「Web担当者Forum」 『あなたは勘違いしてないか? 真相究明! CSS都市伝説

重みのある言葉です。CSS移行を検討はしているものの実行できてません。本業じゃないし。
しかしこの言葉、本業のほうにも、その他いろいろ使えます。

大きなところでは環境問題

問題は、やるかやらないかではなく、「いつ」クリーンエネルギーに移行するのかということである

  やらなきゃならんでしょう。


大きな問題は難しいので身近なところ

問題は、やるかやらないかではなく、「いつ」OSXに移行するのかということである

  物色はするのですが、未だOS9に心動きます。当分XPでしのぎます、


問題は、やるかやらないかではなく、「いつ」バックアップをとるのかということである

  そろそろデータの整理をしておかないと危なそう。


問題は、やるかやらないかではなく、「いつ」家を建てるのかということである

  営業トークで使えるかな?


問題は、やるかやらないかではなく、「いつ」設計を完成させるのかということである

  仕事します・・・・


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